船曳卓堂(読み)ふなびき・たくどう

朝日日本歴史人物事典 「船曳卓堂」の解説

船曳卓堂

生年生没年不詳
幕末明治期の蘭方医。名は修,字は徳夫,号は卓堂,長春園。京都生まれ。父子錦(紋吉)は漢蘭折衷産科医で,播磨国(兵庫県)の人。卓堂は水原三折産婦人科を学び,嘉永1(1848)年ごろ緒方洪庵の門に入り,蘭学を学ぶ。父が西洋医山崎玄東を通じて入手した蘭医プレンクの産婦人科書の翻訳を父に命ぜられ,『婦人病論』(1850)を出版した。刊本西洋産婦人科訳書の初めである。京都御幸町二条南で開業維新のとき明治天皇侍医となって東京へ移り,明治3(1870)年から21年まで宮内省御用掛を勤めた。

(石原力)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「船曳卓堂」の解説

船曳卓堂 ふなびき-たくどう

?-? 幕末-明治時代の医師
水原三折(さんせつ)に産婦人科を,緒方洪庵(こうあん)の門で蘭学をまなぶ。父船曳紋吉の跡をついで京都で開業。明治天皇の侍医となって東京にうつり,明治3年(1870)から宮内省につとめた。名は修。字(あざな)は徳夫。別号に長春園。訳書にプレンク「婦人病論」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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