水原三折(読み)みずはらさんせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水原三折」の意味・わかりやすい解説

水原三折
みずはらさんせつ

[生]天明2(1782).近江八幡
[没]元治1(1864).3. 江戸
江戸時代後期の産科医賀川流産科祖述,集大成した。本姓最上氏,名は義博,字は済卿,三折は号である。曾祖父春沢の代に医を業とし,三折にいたり姓を水原と改めた。若年家業継ぎ,京に上って宇津木昆臺,奥劣斎に学び,また海上随鴎 (稲村三伯) について蘭学を修めた。助産術に最も意を用い,20年の構想を経て探頷三器 (助産具) を作っている。主著『産育全書』 (12巻,1849) は賀川流産科を集大成したもので,日本最初の完備した産科書といわれる。 (→賀川玄悦 )

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「水原三折」の解説

水原三折 みずはら-さんせつ

1782-1864 江戸時代後期の医師。
天明2年生まれ。宇津木昆台内科,奥劣斎に産科,稲村三伯に蘭学をまなんだ。難産でも母子ともにすくえる鉗子(かんし)(探頷器(たんがんき))を創案,産科書「産育全書」12巻をあらわした。元治(げんじ)元年3月25日死去。83歳。近江(おうみ)(滋賀県)出身。本姓は最上。名は義博。字(あざな)は済卿。

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