日本歴史地名大系 「花ヶ谷」の解説 花ヶ谷はながやつ 神奈川県:鎌倉市大町村花ヶ谷華ヶ谷とも書く。妙法(みようほう)寺背後の谷で山王(さんのう)ヶ谷に相対している。「玉舟和尚鎌倉記」によると、梅(うめ)ヶ谷・佐々目(ささめ)ヶ谷・扇(おうぎ)ヶ谷・雪下(ゆきのした)ヶ谷・亀(かめ)ヶ谷・弁(べん)ヶ谷とともに鎌倉七谷の一つという。「風土記稿」は松葉(まつば)ヶ谷の並びにあり、谷名は、ここにあった足利直冬の菩提寺白華山慈恩(じおん)寺の花壇に植えられていた数百種の草花にちなむという。応永二五年(一四一八)円覚寺八四世の一曇聖瑞が序をつくって掲げた慈恩寺詩板(伝宗庵蔵)にも、寺は海浜に近く、境内には花を植え、樹間に七層の塔を望む勝地であったといい、「盖天作之、地成之、皆高明幽貞之具、於是乎在、相之治、直東北之交、岡連谷盤、突而起、拗而窪、其曰華谷」と結ぶ。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by