精選版 日本国語大辞典 「別当」の意味・読み・例文・類語
べっ‐とう ‥タウ【別当】
べ‐とう ‥タウ【別当】
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令外官(りょうげのかん)の一つ。その称は、本官(ほんかん)のある者が別にそのことを専当することに由来する。奈良時代には、東大寺をはじめとする諸大寺に別当が置かれた。平安時代になると、中央の諸官司はもとより、諸院、摂関公卿(くぎょう)家の政所(まんどころ)や畿内(きない)にも、長官の上または長官として別当を任命した。とくに蔵人所(くろうどどころ)や検非違使(けびいし)庁の別当は著名で、前者は多く左大臣をもって補し、後者は衛門府(えもんふ)、兵衛(ひょうえ)府などの外衛(とのえ)の督(かみ)が兼ねた。一般に別当といえば検非違使別当をさす。五畿内諸国別当については、895年(寛平7)に源能有(よしあり)が補せられている。また、鎌倉幕府の公文所(くもんじょ)、政所、侍所(さむらいどころ)の長官も別当という。
[渡辺直彦]
一山の寺務を統轄する長官。8世紀の造東大寺司の判官(じょう)・主典(さかん)などが、所管の山作所(やまつくりどころ)・造瓦所・木工(もく)所など統轄責任者を兼職した場合とか、僧綱(そうごう)の一員でありながら官大寺の長官を兼ねた場合には某寺別当と称せられ、その寺の三綱(さんごう)(上座(じょうざ)、寺主(じしゅ)、都維那(ついな))などを統轄指揮して寺院の経営などにあたった。752年(天平勝宝4)に良弁(ろうべん)が東大寺別当に補任(ぶにん)されたのが最初で、以後、興福寺、大安寺、薬師寺、法隆寺、四天王寺など諸大寺や神宮寺などにも別当が置かれるに至った。またこれら諸大寺には公卿、弁官、史などの本官をもった律令(りつりょう)官人が俗別当として任命され、政府との折衝・管理運営に僧侶(そうりょ)の別当とともに関与するに至った。
[堀池春峰]
1諸大寺で三綱(さんごう)を指揮して大衆統制・寺領管理・伽藍修造など寺院運営にあたった最高責任者。延暦年間の東大寺が最初。
2律令官制に正官をもつ官人が,本来の職務とは別に特定官司の統轄・監督にあたるとき補任される職名。9世紀以降,官司・家政機関・寺院(俗別当という)に設置。蔵人所(くろうどどころ)別当には一上(いちのかみ)の大臣が,検非違使(けびいし)別当には衛門督が,諸官司・諸大寺の別当には公卿・弁・史が,蔵人所所管の禁中所々では公卿・蔵人が配された。10世紀以降は,公卿・殿上人・蔵人・弁・史ら太政官(官方)・殿上(蔵人方)の構成員が別当として,諸司・所々・諸寺を統轄しながら政務・行事・法会(ほうえ)を執行するしくみになった。
3上皇・女院の院司,親王家・三位以上の公卿家の家司の上首をいい,政所別当や侍所別当があった。
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…上皇につかえて院中の諸事をつかさどる職員の総称。平安初期,嵯峨上皇の院中に別当や蔵人を置いたのに始まり,宇多上皇のときに大いに拡充整備され,円融上皇の院中ではその主要な機構がほぼ整った。ついで院政期に入り,執政の上皇の院司は質量ともに拡充強化されたが,南北朝時代以降,公家政権の衰退に伴ってしだいに縮小し,江戸末期,上皇の廃絶とともに院司も消滅した。…
…供御物貢進の体制は,その後11世紀後半以降再び大きく改革され,中世的な御厨と供御人(くごにん)の体制が成立するが,蔵人所はひきつづき供御人に対する裁判権を掌握し,その本家的な存在として,彼らの活動を保護する一方で,彼らの奉仕による収入を重要な経済基盤とした。
[蔵人所の職員]
蔵人所には別当,蔵人頭,蔵人,非蔵人,雑色(ぞうしき),所衆,出納,小舎人(こどねり),滝口,鷹飼等の職員が置かれた。別当(1名)は蔵人所の総裁である。…
…これらの勾当に共通するのは,出納責任者という性格であろう。また楽所,施薬院,崇親院には別当の下に勾当が置かれており,内侍司(ないしのつかさ)の三等官掌侍の第1位を勾当内侍と呼び,記録所では上卿,弁,開闔(かいこう),寄人の職員のうち,弁を勾当と呼んだ。大宰府では〈蔵司勾当〉〈兵馬所勾当〉がみえ,10世紀前半の近江,伊勢,伊賀では,郡判に検校とならんで勾当がみえる。…
※「別当」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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