苗木を育てる畑で、苗圃(びょうほ)ともよぶ。苗畑は、植栽地に近く、保護管理に便利であることが望ましい。植栽地と苗畑が離れている場合、植栽前に、植栽地付近に、一時的な簡易移動苗畑をつくることもある。地形はわずかに傾斜のあるほうが排水がよい。土壌はとくに通気性や保水性がよいことが重要で、砂壌土か腐植に富んだ砂土がよい。同一種を続けて育てると、栄養上あるいは病虫害予防上好ましくないこともあり、苗畑内に植え付けを休ませる休閑地とよぶ部分をつくることもある。地温の上昇を防いだり強い光を避けて生育を促進させたりする目的で林の中を利用するものを、林間または林内苗畑とよび、熱帯地域で盛んに行われている。
[蜂屋欣二]
…育苗の場を苗床,苗圃(びようほ)という。水稲では苗代といい,畑作物などでは苗畑ともいう。育苗後の苗は本田・本畑に移植するのが普通である。…
※「苗畑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」