日本歴史地名大系 「若尾資料」の解説
若尾資料
わかおしりよう
一千一五七点
原本 山梨県立図書館蔵
解説 大正四年若尾謹之助により組織された山梨県志編纂会が「山梨県志」編纂のために収集した資料。山梨県志編纂会は、吉田東伍・田中義成の指導で編纂事業を進め、広瀬広一・赤岡重樹・土屋夏堂・村松学佑・村松志孝らの郷土史研究者が編集委員・調査員として資料収集に当たった。資料は県下の神社・寺院・旧家などが所蔵する文書記録、各村ごとの調査記録、県庁資料の写、県史編纂のための参考資料と多岐にわたる。「町村取調書」のように一定の様式に基づいて記入したもののほか、寺社の縁起・由来、村明細帳の写など、当時の県内各地の採訪資料群として貴重。県志編纂事業は大正一二年の関東大震災で稿本の大半を消失して頓挫したが、資料は山梨教育会附属図書館に受継がれ、昭和六年以降山梨県立図書館蔵となった。謄写刷の「山梨県志資料目録」、昭和四六年には「山梨県立図書館所蔵若尾資料目録」が発刊されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報