茅渟宮(読み)ちぬのみや

精選版 日本国語大辞典 「茅渟宮」の意味・読み・例文・類語

ちぬ‐の‐みや【茅渟宮】

允恭(いんぎょう)天皇八年、天皇が皇后嫉妬を避けて衣通姫(そとおりひめ)のために設けた離宮。大阪府泉佐野市上之郷が故地といわれる。八世紀前半、元正天皇も離宮を造営した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の茅渟宮の言及

【珍努宮】より

…和泉宮の御田苅(みたかり)に必要な食稲が和泉郡から支出され,大鳥・日根郡から出ていないこと(天平10年〈和泉監正税帳〉),高脚海の珍努(黒鯛)などの賞味も離宮の魅力であったことからみると,離宮の位置は和泉監衙(現,大阪府和泉市府中町御館森(みたちもり))付近と推定される。ちなみに允恭天皇が衣通郎姫(そとおりのいらつめ)のため設けた茅渟宮(ちぬのみや)は猟場の日根野(日根郡)付近にあったと考えられ(《日本書紀》),宮跡と称されるものが泉佐野市上之郷にあり,元正天皇の珍努宮の位置は別である。【井上 薫】。…

※「茅渟宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」