…春秋にはそれぞれ七草があり,春の七草は七草粥にみられるように呪術(じゆじゆつ)的な色彩が濃く,一方,秋の七草も単に観賞用だけではなく,卜占にも使われたようである。また草人形(くさひとがた)を作って,穢(けがれ)を託して払ったり,魔よけとして村境に祭る所もある。草は大地よりもえでる生命力の盛んなさまの象徴とされ,多くこの世ならざるものを表象する。…
…古くは平城宮址からも,のろいに使われたと考えられる木製の人形が出土している。(3)には,村境や門口に立てて魔よけとする大型の草人形,わら人形のほか,祭礼の山車(だし)や屋台に神霊の依代として作られる迎え人形,飾人形,さらに厠神(かわやがみ)や船霊(ふなだま)の神体となっている人形もある。この種の人形のなかには,東北地方でいたこという巫女が遊ばせるオシラサマのように,信仰から操り人形や遊び人形へと芸能化・遊戯化を暗示しているものもある。…
※「草人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」