荒屋境目番所跡(読み)あらやさかいめばんしよあと

日本歴史地名大系 「荒屋境目番所跡」の解説

荒屋境目番所跡
あらやさかいめばんしよあと

[現在地名]遠野市小友町 荒屋

江戸時代、盛岡藩領と仙台藩領の境界近くに設けられた盛岡藩の境目番所で、両藩の境界にあたる荷沢にざわ(標高四六六メートル)から北に約一キロ、国道三四〇号の東にある。新屋とも記されるが、番所の公印は「荒屋」を用いている。現在の建物は元治元年(一八六四)焼失したのち建てられた茅葺屋根の平屋造で、長方形平面の直屋。大道具置場や池はなく、わずかに櫟の生垣が昔の名残をとどめ、生垣は正面玄関が道側から見通せないよう鉤形につくられている。現在は民家となっているが、家号は番所と称している。番所の設置年代は阿曾沼氏の時代と伝える。警護役は家臣の平清水氏(本姓菊池)代々世襲したが、慶長五年(一六〇〇)平十郎の長男が鱒沢広勝にくみして主家である阿曾沼氏を滅ぼしたため、平十郎は次男帯刀に家督を継がせて荒屋と改姓、番所警護役に任じたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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