名残(読み)ナゴリ

デジタル大辞泉 「名残」の意味・読み・例文・類語

なごり【名残】

《「余波なごり」から》
ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。また、その気配や影響。余波よは。「台風の名残高波」「古都名残をとどめる」
人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち。「尽きない名残
物事の最後。終わり。「この世の名残
一期いちごの―ぢゃと思うて清水へ参って」〈狂言記武悪
亡くなった人をしのぶよすがとなるもの。忘れ形見子孫
「かの維時これときが―は、ひたすら民となりて」〈増鏡新島守
病後のからだに残る影響。
「いと重くわづらひ給へれど、ことなる―残らず」〈夕顔
残り。残余
「弥生中の六日なれば花はいまだ―あり」〈平家・三〉
名残の折」「名残の茶」などの略。
[類語]残存残留残り残品残部残務残余

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「名残」の解説

名残
なごり

[現在地名]浜松市鹿谷町しかたにちよう広沢ひろさわ一丁目

浜松城の北西、本坂通に沿う。南はたか町、北は町人地名残町、西は富塚とみつか村。「なぐり」とも称した。元禄(一六八八―一七〇四)頃の青山家御家中配列図(浜松市博物館蔵)によれば、武家屋敷数二三六で武家屋敷総数の四割余を占めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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