朝日日本歴史人物事典 「菊池東水」の解説
菊池東水
江戸後期の馬医(太子流)。嘉永から文久年間(1848~64)の著書がある。一橋家に仕えた。わが国最初の馬の解剖書『解馬新書』2巻を嘉永5(1852)年に著述刊行(巻頭に東水菊池藤原武樹と記す)。同書はオランダの馬の解剖書の翻訳書ではなく,その項目は『重訂解体新書』(1826)に従っている。『西洋馬術叢説』(オランダ馬術書,馬医書の和訳本)の馬の腸の詳しい説明に深い感銘を受け,わが国の馬医のために刊行した。天保13(1842)年に雄馬の一対の乳房が陰茎の包皮に付着しているのを実見している。<参考文献>松尾信一『解馬新書の調査研究』
(松尾信一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報