菊間村(読み)きくまむら

日本歴史地名大系 「菊間村」の解説

菊間村
きくまむら

[現在地名]市原市菊間・若宮わかみや

八幡やわた村の東方に位置する。「先代旧事本紀」に菊麻国造がみえ、「和名抄」の市原郡菊麻くくま郷の遺称地とされる。菊間廃寺があり、また暦応五年(一三四二)・延文二年(一三五七)銘などの武蔵型板碑、応安五年(一三七二)銘の宝篋印塔といった中世の石塔も残っている。天正一一年(一五八三)一二月一三日の里見義頼寺領宛行状(田代文書)に菊間之郷とみえ、正善しようぜん院に同郷を宛行っている。同一三年佐倉城主千葉邦胤を殺した桑田万太郎が当地で討たれたという(房総治乱記)。同一八年五月の豊臣秀吉禁制(榊原家文書)では市原庄内として「きくま」とみえる。治承四年(一一八〇)源頼朝が市原八幡宮(現飯香岡八幡宮)に寄進した神田のなかに市原庄菊間郷八町が含まれていたと伝える(元禄一〇年「飯香岡八幡宮由緒本記」飯香岡八幡宮蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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