デジタル大辞泉 「葦の根の」の意味・読み・例文・類語 あしのね‐の【×葦の根の】 [枕]1 「ね」の音の繰り返しで「ねもころ」にかかる。「―ねもころ思ひて」〈万・一三二四〉2 葦の根は埿うきの中にあり、節よが短く、分かれる意から「うき」「よ」「短し」「分く」にかかる。「―憂うき身のほどと知りぬれば」〈後拾遺・恋四〉「―分けても人にあはむとぞ思ふ」〈後撰・恋二〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「葦の根の」の意味・読み・例文・類語 あしのね‐の【葦根の】 枕① 「ね」の音のくりかえしから、「ねもころ」にかかる。[初出の実例]「葦根之(あしのねの)ねもころおもひて結びてし玉の緒といはば人解(と)かめやも」(出典:万葉集(8C後)七・一三二四)② 葦には節(よ)があるところから、「夜」「世」または「よ」の音で始まることばにかかる。[初出の実例]「難波女にみつとはなしにあしのねのよの短くて明くるわびしさ〈小野道風〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋四・八八七)③ 葦の根の節(よ)が短いところから、「短し」にかかる。[初出の実例]「難波なるみつともいはじあしのねの短き夜半の十六夜の月〈藤原知家〉」(出典:続後撰和歌集(1251)夏・二一八)④ 葦の根は繁茂して分かれるところから、「わ」「分く」「分かる」にかかる。[初出の実例]「深くのみ思ふ心はあしのねのわけても人にあはんとぞ思ふ〈敦慶親王〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋二・六八〇)⑤ 葦の根は泥土(うき)の中にあるところから、「憂き」にかかる。[初出の実例]「あしのねのうき身の程としりぬれば恨みぬ袖も波は立ちけり〈公円母〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)恋四・七七一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例