日本歴史地名大系 「薩藩沿革地図」の解説
薩藩沿革地図
さつぱんえんかくちず
一冊
解説 昭和一〇年陸軍特別大演習が薩隅日三州の地で行われた記念事業として鹿児島市が編集し、鹿児島市教育会から発行された地図集。写真判の伊作庄内日置北郷の下地中分図一枚・三州割拠図一〇枚・鹿児島城下切絵図五枚・鹿児島城下絵図一枚からなる。下地中分図は東京大学史料編纂所蔵島津家文書にある。三州割拠図は島津忠重公爵家で発見されたもの、城下切絵図は同家秘蔵とされているが、前者の原図は鹿児島大学附属図書館玉里文庫にあり、後者の原図の所在は不明。三州割拠図一〇枚は大永六年・天文四年・同一二年・同一九年、永禄一〇年・天正元年・同一四年の九州略定図、天正一四年臣服図(家臣配置図)、文禄四年当時の島津忠良・貴久・義久の領地、家臣配置、豪族の所在図である。これにより島津忠良および島津本家の領地拡大の様子が示される。まったく同一ではないが、三州割拠図と同内容の地図が尚古集成館にある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報