日本歴史地名大系 「薩陽武鑑」の解説
薩陽武鑑
さつようぶかん
一冊
成立 江戸時代末期
写本 鹿児島大学附属図書館玉里文庫・尚古集成館ほか
解説 鹿児島藩の島津氏本宗家と庶家および上級家臣家一二〇余家の略系図・家紋・格式・持道具(槍・纏)および当主名と役職、その室名、嫡子名とその室名・持道具、持高と私領郷・持切村などが一目でわかるように記された武鑑書。編集形式は江戸で出版された大名・旗本の武鑑などに倣っている。黎明館寄託の平岡家本には天保八年の記載がある。明治二一年写の玉里文庫本は島津氏本宗家略系図の最後に島津斉彬を収め、その他の諸家の当主名や嫡子名は天保―弘化期頃のものであるのに対し、明治三六年写の尚古集成館本は略系図の最後に二九代茂久(忠義)を記し、当主名などはいずれも安政―元治期以降のもので、役職補任関係記事の下限年代は慶応元年である。
活字本 平成八年(尚古集成館)刊
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報