日本歴史地名大系 「蝦夷巡覧筆記」の解説
蝦夷巡覧筆記
えぞじゆんらんひつき
五冊
別称 松前東西地理 高橋壮四郎ほか著
成立 寛政九年
写本 国立公文書館内閣文庫
解説 松前藩士高橋壮四郎・下国才蔵・南条郡平・牧田唐九郎の四名が藩主の命により蝦夷島(松前・蝦夷地)各地を広く巡回調査し、寛政九年に報告した路程記。蝦夷島全域およびレブン・リイシリ・オクジリ・大島のほか、クナシリ・エトロフ・ウルップ・シコタンなど南千島諸島まで、唐太島は西岸はコタントル、東岸は中シレトコ岬まで含む。記載内容は、里程・産物、通路の様子(砂浜・がれ場など)、川幅・舟渡・樹林断崖の有無などで、「波アル節ハ通行成カタシ」とか「海ヨリ切立チ通行成難シ」などの記載が非常に多い。住民についての記述などはまったくみられない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報