行方なし(読み)ゆくえなし

精選版 日本国語大辞典 「行方なし」の意味・読み・例文・類語

ゆくえ【行方】 なし

① 行くべきあてがない。進むべき方角目標がわからない。また、あてがなくて困惑する。途方にくれる。
万葉(8C後)一八・四〇九〇「由久敝奈久(ユクヘナク)あり渡るとも霍公鳥(ほととぎす)鳴きし渡らばかくやしのはむ」
② 行った先がわからない。ゆくえが知れない。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「たづねきこゆべき方もなかりしかば、ゆくゑなく、覚束なさを、年頃思ひなげきつるは」
③ 行きとまるべき際限がない。はてしない。
山家集(12C後)上「ゆくへなく月に心のすみすみて果はいかにかならんとすらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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