行方なし(読み)ゆくえなし

精選版 日本国語大辞典 「行方なし」の意味・読み・例文・類語

ゆくえ【行方】 なし

  1. 行くべきあてがない。進むべき方角目標がわからない。また、あてがなくて困惑する。途方にくれる。
    1. [初出の実例]「由久敝奈久(ユクヘナク)あり渡るとも霍公鳥(ほととぎす)鳴きし渡らばかくやしのはむ」(出典万葉集(8C後)一八・四〇九〇)
  2. 行った先がわからない。ゆくえが知れない。
    1. [初出の実例]「たづねきこゆべき方もなかりしかば、ゆくゑなく、覚束なさを、年頃思ひなげきつるは」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. 行きとまるべき際限がない。はてしない。
    1. [初出の実例]「ゆくへなく月に心のすみすみて果はいかにかならんとすらん」(出典:山家集(12C後)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む