衛正斥邪思想(読み)えいせいせきじゃしそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「衛正斥邪思想」の意味・わかりやすい解説

衛正斥邪思想
えいせいせきじゃしそう

朝鮮王朝李氏朝鮮)における朱子学者の異端排撃論。朱子学を唯一の正として衛(まも)り、それ以外のいっさいの思想信仰を邪として斥(しりぞ)けることにより、王朝秩序を固守しようとした主張である。とくにキリスト教と西洋文明を嫌悪し、西洋列強および欧化した日本の侵略に対する抵抗の支えになった。日本による朝鮮併合(1910)の前夜に巻き起こった反日義兵運動では、その強力な指導理念になった。

[旗田 巍]

『姜在彦著『朝鮮近代史研究』(1970・日本評論社)』『金栄作著『韓末ナショナリズムの研究』(1975・東京大学出版会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android