補給支援特別措置法(読み)ホキュウシエントクベツソチホウ

デジタル大辞泉 「補給支援特別措置法」の意味・読み・例文・類語

ほきゅうしえん‐とくべつそちほう〔ホキフシヱントクベツソチハフ〕【補給支援特別措置法】

テロリスト武器移動を阻止するために諸外国の軍隊インド洋を航行する船舶に対して行う検査・確認等の措置(テロ対策海上阻止活動)を支援するために、海上自衛隊を派遣し、給水給油等の活動を行うことを定めた法律テロ対策特別措置法1に代わるものとして平成20年(2008)1月に成立。平成22年(2010)1月失効。新テロ特措法補給支援特措法補給支援法テロ特措法テロ対策特措法。テロ対策特別措置法。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「補給支援特別措置法」の解説

補給支援特別措置法

インド洋でアフガニスタンのテロ掃討作戦に従事する艦船に海上自衛隊による給油活動を行うための法律。 2008年1月11日、衆参ねじれ国会のなかで、参議院での否決の後、衆議院憲法59条の3分の2条項により成立。インド洋での給油活動は、01年9月米国での同時多発テロをうけて、米国などが対テロ戦争に乗り出すなかで、01年10月テロ対策特別措置法が成立し、これをもとに活動が開始された。その後同法の3度の延長により活動が継続されていたものの、07年7月の参院選挙で与党が敗北し、延長ができないまま同法は07年11月に期限切れとなり、海上自衛隊の補給艦が引き揚げた。政府は同法に代わり、活動を給油・給水に限定した補給支援特措法を新法として提出、ねじれ国会の対決法案の1つとなり、政府は臨時国会の会期を2度にわたり延長し、会期末の1月11日に成立をみた。支援活動をめぐり、日本の国際貢献の在り方、自衛隊派遣と憲法との関係、ねじれ国会のなかでの与野党の関係なども問題となり、大きな論議を呼んだ。この新法の問題点として、国会での承認を不要としたこと、国民の支持が大きくないこと、などが指摘されている。

(高橋進 東京大学大学院法学政治学研究科教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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