褫く(読み)アバク

デジタル大辞泉 「褫く」の意味・読み・例文・類語

あば・く【×褫く】

[動カ下二]《「あわく」とも》
はげる。崩れる。
「塗れる金―・け落つ」〈霊異記・中〉
気が緩む。油断する。
「よも渡らじ、船も通はじなんど思ひて、うち解け―・けたらんところへ」〈盛衰記・四二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「褫く」の意味・読み・例文・類語

あば・く【褫】

  1. 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 古くは「あわく(あはく)」か )
  2. はげる。くずれ落ちる。崩壊する。
    1. [初出の実例]「取りて牽(ひ)き上げ見れば、観音銅像なり。〈略〉塗れる金褫(アハケ)落つ。〈国会図書館本訓釈 号(「褫」(出典日本霊異記(810‐824)中)
    2. 「ハレモノガ abaquru(アバクル)〈訳〉はれものが自然に破裂する」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  3. 気がゆるむ。油断する。
    1. [初出の実例]「あはけたり、如何。淡気たり也」(出典:名語記(1275)一〇)

あわ・くあはく【褫】

  1. 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙あばく(褫)

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