普及版 字通 「褫」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音]
[字訓] はぐ・はぎとる・ぬぐ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ち)。は虎皮を剝ぎとることをいう。〔説文〕八上に「衣を奪ふなり」とあり、人の衣を褫奪することをいう。官職・身分を剝奪する意に用いる。また心奪われて驚くことを、奪気褫魄という。

[訓義]
1. はぐ、はぎとる、衣をぬがせる。
2. ぬぐ、ぬぎさる、とりさる。
3. うばう、とりあげる。

[古辞書の訓]
名義抄〕褫 トトノフ・ウバフ・トク 〔字鏡集〕褫 コロモサヒハ・ウバフコロモ・ウバフ・トカル・アラハル・メヅラシ・サイハヒ・トク・アバク

[声系]
〔説文〕に声として・遞(逓)・褫・)など十六字を収める。は〔説文〕五上に「委(ゐし)、虎の角なり」とするが、実態が明らかでなく、字形は虎皮を剝取する形であるから、褫の初文であろう。卜文にも虎に従う字があり、虎皮を治(かくち)する字が多い。

[語系]
褫diai、奪duatは声義近く、うばう意がある。(脱)・蛻thuatは自ら脱する意に用いる。daiも力をこめてひき取る意。みな脱解の意がある。

[熟語]
褫革褫官褫気褫削褫散褫職・褫身褫氈・褫奪・褫魄褫剝褫皮褫落
[下接語]
気褫・摧褫・三褫・貪褫・偸褫・魄褫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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