国指定史跡ガイド 「西秋留石器時代住居跡」の解説
にしあきるせっきじだいじゅうきょあと【西秋留石器時代住居跡】
東京都あきる野市牛沼にある縄文時代の住居跡。秋川左岸の河岸段丘上にあり、1932年(昭和7)に発掘調査が実施され、縄文時代後期の敷石住居跡5軒や石棺墓2基、石組みの炉1基が発見された。敷石住居は床面に石を敷いた住居で、一方に出入り口となる張り出しが設けられており、狭い範囲にまとまって存在する事例が少ないことなどから、1933年(昭和8)に国の史跡に指定された。この住居跡は縄文時代中期の終わりごろから後期の中ごろ(約3500年前)に関東地方西部と中部山岳地域に分布した形態であることが明らかになったが、住居の床面と周囲が同じ面であると認められたため、竪穴(たてあな)式住居ではなかったと判断され、敷石住居は平地住居であるとする説の有力な根拠となっている。JR五日市線秋川駅から西東京バス「牛沼」下車、徒歩約5分。