普及版 字通 「覃」の読み・字形・画数・意味
覃
12画
[字訓] うまい・ふかい・おおきい
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
壺状の器中に、ものを満たしている形。〔説文〕五下に「長味なり」、〔広雅、釈詁二〕に「長きなり」とあり、長期にわたって味つけし、醇熟する意であろう。古文の字形は鹵(ろ)に従っており、塩づけのようにして貯蔵することをいう。ゆえに覃久・覃深の意となり、覃久とは遠きに及ぶことをいう。
[訓義]
1. うまい、うまい味、ふかい味。
2. ふかい、ふかくこもる、しずか、ゆきわたる。
3. ながい、おおきい、およぶ、のびやか。
4. ・探と通じ、さぐる。
5. と通じ、するどい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕覃 オヨブ・ヒトトナル・トシ・ハフクサ・フカシ 〔字鏡集〕覃 フカシ・アカシ・オヨブ・ヒトトナル・ノブ・アヂハヒ・トシ・ハフ
[声系]
〔説文〕に覃声として・・・など十七字を収める。は含深、は深視、は水、は〔説文〕十四下に「酒味きなり」とあって、みな覃の声義を承ける字である。
[語系]
覃・dmは同声。深sjim、湛tmは声義近く、深は深くものをさぐり、湛は深く水に没する意。みな覃・深の意において通ずる。浚・濬siunは甚zjimと声近く、これらも一系の語であろう。
[熟語]
覃愛▶・覃奥▶・覃恩▶・覃祺▶・覃及▶・覃恵▶・覃慶▶・覃研▶・覃思▶・覃耜▶・覃心▶・覃精▶・覃覃▶・覃鬯▶・覃被▶・覃敷▶
[下接語]
遠覃・恩覃・下覃・遐覃・覃・慶覃・潤覃・深覃・勢覃・湛覃・幽覃
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報