見懲(読み)みごらし

精選版 日本国語大辞典 「見懲」の意味・読み・例文・類語

み‐ごらし【見懲】

〘名〙 ある人をこらしめて、他の人のいましめとすること。みこらしめ。〔文明本節用集(室町中)〕
サントスの御作業(1591)一「ヨジン ノ migoraxi(ミゴラシ)タメ ニ トテ、イシャウ ヲ ハギ、ヒ ニ クベ タマエ ドモ」

み‐こ・る【見懲】

〘自ラ上二〙 見て懲りる。見ておそれつつしむ。
落窪(10C後)二「いといみじげに踏み伏せて、車にかけて引きやるに、男どもみこりておぢわななき、え車につかず」

み‐ごり【見懲】

〘名〙 見て懲りること。悪業の報いを見て恐れ、懲りること。また、そのようにさせること。
太平記(14C後)六「軍神に祭て人に見ごりさせよ」

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世界大百科事典(旧版)内の見懲の言及

【刑罰】より

…刑罰から犯罪の態様が連想される反映刑として放火に対する火罪(火焙(ひあぶり))等があり,応報的要素も見られる。 刑罰の目的は過酷な刑の公開によって一般人を威嚇する〈見懲(みごり)〉,犯罪者の排除,被害者,世人の復讐感情の満足による幕府の威信,秩序の維持という政策的考慮が支配的で,犯罪を悪なるがゆえに罰するという応報観念は比較的弱かった。刑罰は身分によって異なり,庶民に対するものが一般的で,武士,僧侶等には特別の刑があった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」