観念寺(読み)かんねんじ

日本歴史地名大系 「観念寺」の解説

観念寺
かんねんじ

[現在地名]東予市上市

ぞうもり山の山麓にある。大雄山と号し、臨済宗東福寺派。本尊は十一面観世音菩薩・釈迦牟尼仏

縁起によれば鎌倉時代に東予地方で勢力のあった越智盛氏が、延応二年(一二四〇)父玉氏の十三回忌追善のため創建した。創建年代を文永年間(一二六四―七五)におく異説もある。元弘年間(一三三一―三四)鉄牛継印を迎え再興したという。その後南北朝時代を通じ越智一族の氏寺として繁栄した。

予陽郡郷俚諺集」には「大雄山観念寺、開基聖一国師の弟子鉄牛和尚也、仏殿四方四面、本尊釈迦如来、脇立文殊、普賢」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の観念寺の言及

【新居氏】より

…源平争乱時には,源氏にくみした河野氏と戦って敗れ,乱後は河野氏に服属,承久の乱では盛氏が河野通信軍に属して京方として戦った。また盛氏は桑村郡に観念寺を建立し(建立時期は延応年間(1239‐40)とも文永年間(1264‐75)とも),以後同寺が一族の菩提寺となった。また,一族出身の凝然が著した〈予州新居系図〉(西条市伊曾乃神社蔵)は,一族の系譜や発展のあとを知る貴重な史料であり,重要文化財に指定されている。…

※「観念寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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