日本大百科全書(ニッポニカ) 「解脱道論」の意味・わかりやすい解説 解脱道論げだつどうろん 仏教の綱要書。2~3世紀ころウパティッサupatissa(優波底沙)によって著された。原典は現存しないが、5世紀初めの扶南(ふなん)(カンボジア周辺にあったクメール人の国家)の僧伽婆羅(かばら)による漢訳が伝えられるほか、一部分のチベット訳が発見され出版されている。ブッダゴーサ(仏音(ぶっとん))の著『清浄(しょうじょう)道論』の底本であったと考えられ、戒(かい)・定(じょう)・慧(え)の三学に基づき仏教教理を記すが、漢訳は、原著作以後、スリランカのアバヤギリ寺派の学説の影響を受けて変化しているとされている。[佐藤良純][参照項目] | 清浄道論 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例