日本の自動車技術240選 「触媒早期活性化システム」の解説
触媒早期活性化システム
製作(製造)年2004
製作者(社)ダイハツ工業株式会社
資料の種類量産品
現状公開
会社名/製作者(社)ダイハツ工業株式会社
愛称触媒早期活性化システム
技術用途ガソリンエンジン
実物所在ダイハツ工業株式会社
製作年2004
協力ダイヤモンド電機(株)
搭載車種ムーヴラテ、エッセ、ソニカ、ムーヴ、ミラ他
エンジンガソリン
エミッションコントロールシステム(含触媒)点火系、エンジン制御コンピュータ
効果CO,HC,NOx
エピソード・話題性微小なイオン電流を検出するために多くのアイディアが生まれては消えを繰り返し、実用化まで10年以上の期間を要した晩成型の技術です。その間、社内外の多くの協力者、応援者に恵まれ、世にだすことができました。システムのコアになるイオン電流検出回路はディストリビュータレスイグニッションの応用であり、ここでも先輩技術者のおかげで実用化できたことを感謝しています。エンジンの燃焼を直接検知している特性を生かして今後も応用範囲を広げ、開発を進めていきます。RJC2004テクノロジーオブザイヤー、新機械振興賞経済産業大臣賞などを受賞しました。
特徴触媒早期活性化システムはダイハツが独自に世界に先駆けて開発した画期的なシステムです。イオン電流により燃焼状態をリアルタイムで検出し、エンジン始動時の排出ガス浄化に効果を発揮します。エンジン始動時の燃焼を最適化することで触媒の早期活性化を可能にし、排出ガスの低減を実現しました。点火イグナイタに内蔵した電子回路で燃焼時に発生するイオン電流信号を検出します。この信号からシリンダー内の燃焼状態をエンジン制御用コンピューターで診断します。診断結果に基づき、最適な燃焼状態になるようにコンピューターが点火時期をコントロールし、触媒へより高温のガスを送ることでエンジン始動直後から触媒の浄化能力を引き上げることが可能になりました。
参考文献自動車技術会 文献番号20055293 学術講演会前刷集 No.61-05
出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報