討取・撃取・打取(読み)うちとる

精選版 日本国語大辞典 「討取・撃取・打取」の意味・読み・例文・類語

うち‐と・る【討取・撃取・打取】

〘他ラ五(四)〙
① 敵を攻めて、その国などを奪う。敵を攻め滅ぼす。平定する。
※枕(10C終)二四四「この国うちとらんとて」
② 武器を使って相手を殺す。切り殺したり、撃ち殺したりする。しとめる。
※将門記(940頃か)「妻子同じく共に討ち取られぬ」
③ 試合などで相手を負かす。特に、野球で投手バッターをアウトにしとめる。
※話の味覚(1962)〈一龍斎貞鳳〉いかでその敵を討たんでは「ここで代わった秋山に、主将広岡は左飛に打ち取られ、つづく土屋敬遠で二死満塁」
④ 賭けをして自分の手に入れる。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「きみのたからは、みなこよひ〈略〉うちとりてむ」
⑤ (「うち」は接頭語) つかまえる。捕える。
※宇治拾遺(1221頃)三「虫打とりてゐたりけるに」
⑥ (「うち」は接頭語) 取り去る。取る。
四河入海(17C前)八「此石はここにありしが人がはやうちとる程に」

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