朝日日本歴史人物事典 「詫磨栄賀」の解説
詫磨栄賀
南北朝ごろの詫磨派最末期の画家。詫磨長賀の子といわれる。宋元仏画風の作画を主としたが,当時としてはすでに守旧的といえる。「栄賀」の印章や,「詫磨法眼栄賀筆」ないし「詫磨栄賀筆」の落款のある作品に,応永2(1395)年に性海霊見が賛を書いた「柿本人麻呂像」(常盤山文庫蔵),「十六羅漢像」(藤田美術館蔵),「不動明王二童子像」(静嘉堂文庫美術館蔵),「布袋図」(個人蔵)などが知られているが,作品の真偽も含めて,その実像は明らかになっていない。<参考文献>島尾新「常盤山文庫蔵柿本人麻呂像について」(『美術研究』338号)
(救仁郷秀明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報