貧は士の常
きちんとした志を持って生きている人間は、貧乏を不安に思う必要はない、という教え。
[使用例] もとより貧寒の小士族なれども、貧は士の常なりと自から信じて疑わざれば、さまで苦しくもなく[福沢諭吉*成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ|1886]
[由来] 「[列子]―天瑞」に出て来る、おそらくは空想上の人物、栄啓期のことばから。「貧は士の常なり、死は人の終わりなり(貧乏は、志を持って生きる人間にとっては当然のことだし、死も、人間ならばだれでも最後に迎えるものだ)」とあります。貧乏をしたまま死ぬことになっても、当たり前の状態で生きてみんなと同じ最後を迎えるのだから、何も不安を感じることはない、というのが、栄啓期の心境です。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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