走査型顕微鏡(読み)そうさがたけんびきょう(その他表記)scanning microscope

知恵蔵 「走査型顕微鏡」の解説

走査型顕微鏡

何らかの探針や電磁波などで、物質表面を走査して観測し、表面の微細構造や欠陥分布などの情報を2次元的に得る顕微鏡で、各種ある。「走査」(Scanning)と「顕微鏡」(Microscope)の英語の頭文字「S」と「M」との間に、それぞれの種類を表す単語(熟語)の頭文字を「X」で代表させて置き、「SXM」と総称する。典型的なのは走査型電子顕微鏡(SEM)。微小な金属探針(プローブ)を流れるトンネル電流により、表面の微細構造を観測する走査型トンネル顕微鏡(STM)、弾道型の電子を利用する走査型バリスティック電子顕微鏡(SBEM)、プローブ先端の原子と試料表面の原子との相互作用の強さが一定になるように加減しながら試料表面を走査する走査型原子間力顕微鏡(SAFM)、超音波を細く絞って試料に走査して照射することにより、試料の内部情報を得る走査型超音波顕微鏡(SAM)などもある。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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