踏張(読み)ふんばる

精選版 日本国語大辞典 「踏張」の意味・読み・例文・類語

ふん‐ば・る【踏張】

(「ふみはる(踏張)」の変化した語)
[1] 〘他ラ五(四)〙 足を開いて、強く踏む。開いた足に力を入れて、倒れまいと踏みこたえる。
保元(1220頃か)中「鐙ふんばり、つ立上り、大音あげて」
[2] 〘自ラ五(四)〙
気力を出してこらえる。がまんする。がんばる。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「後悔臍をかむも及びがたし。如かず、今暫く踏張(フンバ)るべし」
② いちずに言い張る。人に屈しないでどこまでも自説を主張する。がんばる。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石一一「君がいくら新体詩家だって踏張っても」

ふん‐ばり【踏張】

〘名〙
① ふんばること。足を広げ、力を入れてこらえること。また、物事に耐えること。〔いろは字(1559)〕
② すれからしで手のつけられない強情者の意で、女、特に遊女をののしっていう語。また、下等な遊女の異称。ふんばりあま。ふんばり女郎。
随筆・吉原失墜(1674)「ばいた、ふんばり、みなうかれめの名なり」
刀身物打ちから鎺本(はばきもと)にかけての形状安定感に富み力強いさま。

ふみ‐は・る【踏張】

〘他ラ四〙 =ふんばる(踏張)
古今著聞集(1254)一七「池へ引きいれんとしけれど、松の根をつよくふみはりてひき入られず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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