軸流圧縮機(読み)じくりゅうあっしゅくき(その他表記)axial-flow compressor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軸流圧縮機」の意味・わかりやすい解説

軸流圧縮機
じくりゅうあっしゅくき
axial-flow compressor

羽根車回転により気体を圧縮し,気体の流れが回転軸平行になるような圧縮機。翼をつけた軸を回転させ,一方から気体を取入れると,気体はこの翼の回転によって後方に押しつけられて圧縮される。単段翼と多段翼の圧縮機があるが,多段になるほど圧縮比が高くなる。大流量を容易に処理することができ,多段にして高圧縮比にした場合も高い効率が得られる利点があり,ガスタービン用圧縮機として最も広く用いられている。航空機用ガスタービンは,前面面積あたりの空気流量を大きくとれることから,ほとんど軸流圧縮機である。陸用・舶用ガスタービンでも燃料経済を重視するものは,効率の点から軸流圧縮機が用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の軸流圧縮機の言及

【圧縮機】より

… それほど圧力の高くない気体を送風することはすでに古くから冶金などに利用されてきたが,18世紀になって蒸気,水力を動力源とした往復送風機が出現した。20世紀初頭にはイギリスのC.A.パーソンズの軸流圧縮機や,フランスのC.E.A.ラトーの発案に基づく蒸気タービン駆動の遠心圧縮機などターボ型圧縮機が製作されるようになって高圧の気体が得られるようになり,その後,製鉄,鉱山,化学工業などにおいて圧縮機の需要が増え,その構造,機能および性能などが飛躍的に改善されてきた。とくに軸流圧縮機は第2次世界大戦後,航空用ジェットエンジンとともに本格的進歩を遂げ,遠心圧縮機と並んで産業用としても多用されている。…

※「軸流圧縮機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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