同一の平面上にあって交わらない2直線を平行であるという。2直線が平行のとき、これに別の直線が交わってできる同位角は等しい( (1))。逆に平面上で、2直線が別の直線と交わってできる同位角が等しければ、この2直線は平行である。また、平行2直線に垂直に交わる任意の直線上で、2直線の間にできる線分の長さは一定で、これを平行2直線の距離という( (2))。3直線l、m、nについてはlとm、mとnがそれぞれ平行であれば、lとnも平行である。次に、Oを端とする半直線OAと、O′を端とする半直線O′A′とがあって、直線OAと直線O′A′が平行とする。このとき、直線OO′についてA、A′が同じ側にあれば半直線OA、O′A′は同じ向きに平行であるといい( (3))、直線OO′についてA、A′が反対の側にあれば半直線OA、O′A′は逆向きに平行であるという( (4))。
空間で二つの平面が平行であるという場合は、共通点のないことをいう。二つの平面α、βが別の平面と交わってできる2直線をa、bとすると、aとbは平行である( (5))。平行な2平面に垂直な任意の直線上で、2平面の間にできる線分の長さは一定で、これを2平面の距離という。三つの平面α、β、γについて、αとβ、βとγがそれぞれ平行のとき、αとγも平行である。また、直線と平面が平行であるという場合は共通点のないことをいう( (6))。
2直線については、重なる場合も含めて平行ということもある。平行移動やベクトルを扱う場合はそうである。また、空間で2平面が重なる場合も平行に含めることがあるし、直線が平面に含まれるときも平行のなかへ入れることもある。
平面上の2直線
y=mx+k, y=m′x+k′
が広義で平行になるための条件はm=m′であり、空間の2平面
z=ax+by+c, z=a′x+b′y+c′
が広義で平行になるための条件はa=a′,b=b′である。
[栗田 稔]
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