追分羊羹(読み)おいわけようかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「追分羊羹」の意味・わかりやすい解説

追分羊羹
おいわけようかん

静岡県清水(しみず)市(現静岡市清水区)の名物蒸し羊かん寛文(かんぶん)年間(1661~73)に、東海道江尻(えじり)宿の砂糖商人、駿府(すんぷ)御用の府川屋新助が、砂糖の買付けに行った江戸表で覚えた製法といわれる。すりたてのヤマノイモ約1.8リットル(1升)、砂糖約600グラム(1斤)、アズキの漉(こ)し粉1升に小麦粉0.9デシリットル(5勺)を柔らかめに溶いて竹皮に流し込み、十分にくるんで蒸し上げる。竹皮包みのまま包丁を入れて供するが、羊かんの姿は棹物(さおもの)でなく、牛の舌のような感じである。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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