デジタル大辞泉 「御用」の意味・読み・例文・類語 ご‐よう【御用】 1 ある人を敬って、その用事・入用などをいう語。また、用事・入用などを丁寧にいう語。「何かご用ですか」「ご用を承ります」2 宮中・政府などの公の用務・用命。「宮内庁の御用を達する店」→御用達ごようたし3 捕り手が官命で犯人を捕らえること。また、そのときのかけ声。転じて、警察につかまること。「御用、御用、神妙にしろ」「御用になる」4 権力のある者にへつらい、自主性のない者を軽蔑していう語。「御用新聞」5 「御用聞き1」の略。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「御用」の意味・読み・例文・類語 ご‐よう【御用・御要エウ】 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 )① ある人を敬って、その人の用事、入用をいう語。[初出の実例]「象眼送二数稔一。其色梨黒。紫羅紅錦少所レ候也。若有二御用一可レ経二御覧一」(出典:明衡往来(11C中か)下末)② 天皇・宮中・幕府・大名・政府などの用事、入用をいう語。[初出の実例]「大名の御用(ヨウ)きかるる歴々の町人棟高く」(出典:浮世草子・魂胆色遊懐男(1712)一)③ 召捕りの役人などが、犯罪者を逮捕すること。官命による逮捕。また、その時のかけ声。[初出の実例]「御用(ゴヨウ)といふ提燈を燈(つけ)て居ましたから、〈略〉誠に恟(びっく)りしましたヮ」(出典:人情本・花鳥風月(1830‐44頃)四)④ 犯罪者が処刑されること。お仕置き。[初出の実例]「『今日か今日かと呼出しを此間から待って居ります』『さっき帳番からちらりと聞いたが、明日御用(ゴヨウ)になるさうだ』」(出典:歌舞伎・四千両小判梅葉(1885)大切)⑤ 江戸時代以降、酒屋、あるいは八百屋・日用品店の丁稚(でっち)。ご用聞き。樽拾い。[初出の実例]「御用よぶ丁児かへすな花の鳥〈其角〉」(出典:俳諧・焦尾琴(1701)風・花桜之篇)⑥ 用便。便通。[初出の実例]「御料理頂戴致し帰る途中より御用きざしければ」(出典:浮世草子・夫婦気質(1751‐64頃)上)⑦ 権力にへつらい、自主性のないものを軽蔑していう語。多く「御用学者」「御用新聞」など接頭語的に用いられる。⑧ 「ごようきん(御用金)」の略。[初出の実例]「両替ども、こがねの山を見せるに中々あひもおとらず、諸大名の御用何ほどにても事をかかず」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)一)⑨ 「ごようしょうにん(御用商人)」の略。[初出の実例]「御入部に御用四五人ちくてんし」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和四(1767)義四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例