逆作用(読み)ぎゃくさよう(その他表記)reaction

翻訳|reaction

日本大百科全書(ニッポニカ) 「逆作用」の意味・わかりやすい解説

逆作用
ぎゃくさよう
reaction

環境から生物への働きかけを作用actionとよぶのに対し、生物から環境への働きかけを逆作用もしくは反作用とよぶ。環境がそこに生息する生物とその生活に多大な影響を及ぼすのはもちろんであるが、両者の関係はけっして一方的なものではなく、生物の生活が環境に影響を及ぼし、これを改変することも多々ある。アメリカの植物生態学者クレメンツが1916年に植物群落の遷移説を提出するなかで定義した概念で、彼によれば、遷移は作用と逆作用の繰り返しのなかで進行するものである。たとえば、完全な裸地から出発する乾性遷移系列においては初期に定着する地衣類コケの生活が土壌形成を促進し、遷移系列を次の段階へ移行させる原動力となるし、貧栄養湖から出発する湿性遷移系列においては、湖内の生物の生産活動が湖の富栄養化とそれに続く陸地化を促進することになる。

[江崎保男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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