連り(読み)ツガリ

デジタル大辞泉 「連り」の意味・読み・例文・類語

つがり【連り/鎖り/×縋り】

《つながる意の動詞「つがる」の連用形から。「つかり」とも》
くさり。
くろかねの―」〈仁徳紀〉
糸でからげてつないだもの。すがり。
今朝はまた誰きて見よと藤袴ふぢばかまく露の―しつらん」〈新撰六帖・六〉
袋の口をひもを通して引き締めるようにしたもの。また、その部分。すがり。
「袋の口あくるを遅しと―を引き切り」〈伽・三人法師

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精選版 日本国語大辞典 「連り」の意味・読み・例文・類語

つがり【連・鎖】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つかり」とも。動詞「つがる(連)」の連用形の名詞化 )
  2. つらなり続くこと。つがること。また、そのもの。
  3. くさり。
    1. [初出の実例]「鉄の鎖(ツカリ)を以て酒の君を縛ひて」(出典:日本書紀(720)仁徳四一年三月(前田本訓))
  4. 糸でからげてつないだもの。
    1. [初出の実例]「今朝はまた誰きて見よと藤袴玉ぬく露のつかりしつらん〈藤原信実〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)六)
  5. 茶入れなどを包むのに用いる、袋の口をくさりのようにかがり紐(ひも)を通してひきしめられるようにしたもの。また、その紐を通す部分。乳(ち)。耳。また、その紐。
    1. [初出の実例]「袋の口、あくるを遅しとつかりを引き切り、取出し見るに」(出典:御伽草子・三人法師(室町末))
  6. 舞人(まいうど)青摺(あおずり)に用いる袴の股立(ももだち)の下の口をほころばせたままからげた組紐。

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