デジタル大辞泉 「連結納税」の意味・読み・例文・類語 れんけつ‐のうぜい〔‐ナフゼイ〕【連結納税】 親会社と完全な子会社および孫会社などの企業グループを一つの納税単位として、まとめて法人税を課する制度。平成15年(2003)3月期より適用。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
知恵蔵 「連結納税」の解説 連結納税 グループ企業で連結決算を行っている時、納税額がグループ全体で決められる制度。2002年6月26日に国会で可決、成立した。持ち株会社が1997年6月に条件付きで解禁され、日本も新たなグループ経営の時代を迎えた。持ち株会社は合併などと違い、企業名を残したまま傘下に入れるので、例えばブランド企業を一員とすることのメリットなどがありうる。しかし連結納税でないと、同グループでも納税は各企業で行われ、仮にグループ内に赤字企業と黒字企業があっても、それが相殺されず黒字分にだけ一方的に課税される。効率的な経営を促進するには、持ち株会社による機動的な経営戦略を生かしたグループ経営が望ましいが、連結納税制度がないと分社化したほうが税額が多くなることがある。このため、連結納税が適用される以前は納税額という観点から分社化に踏み切れない企業も多かった。ただし、赤字企業が多い現在の日本では、連結納税になると税収が減る可能性が高いということで、税収減を穴埋めするため、連結納税を選ぶと、2年間の時限措置として通常の法人税率に2%の付加税が上乗せされていた。しかし、2004年度税制改正によりこの連結付加税は廃止。本格的な連結納税制度の活用が始まり、電力会社、鉄道会社、生命保険会社等で連結納税制度を選択する企業が増えてきている。 (小山明宏 学習院大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by