化学辞典 第2版 「連鎖伝達体」の解説
連鎖伝達体
レンサデンタツタイ
chain carrier
連鎖連絡体,連鎖担体,連鎖運搬体ともいう.連鎖反応の中間体で,連鎖反応を継続させる中継ぎをする分子種をいう.遊離基やイオンであることが多い.塩素爆鳴気ではCl・およびH・がその例であり,ラジカル重合では成長しているラジカル末端がその例である.イオン反応の簡単な例としては,H2 と D2 の混合物からγ線によってHDが生成するとき H3+,H2D+,HD2+,D3+ が連鎖伝達体になる.不純物のまったくない H2 と D2 の混合物では連鎖の長さは 105 以上にもなる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報