翻訳|mixture
2種以上の物質が互いに結合せずに単に混ざり合って存在しているものをいう。化合物に対する語。砂糖は水に溶けて砂糖水になり、そのどの部分をとっても砂糖水としての均一な性質を示す。空気でも同じく、窒素、酸素、二酸化炭素、希ガスなどが混じり合い、どの部分をとっても同じ性質を示す。しかしこれらは、濾過(ろか)、蒸留、再結晶、冷却などの物理的手段によっていくつかの物質に分けることができるし、またそれらをふたたび混ぜ合わせて混合物とすることができる。これらの砂糖水や空気などが混合物である。これらは均一な混合物であるが、これに対し固体の砂糖と食塩を混ぜたものは見かけは均一であっても実際には不均一な混合物である。
このような混合物に対し、酸素と水素の化合した水分子は、単に酸素と水素とを混合したものではなく、普通に酸素と水素に分けることはできず、化合物といっている。1種類の単体または化合物のみからなる物質を純物質といっている。純物質は固有の融点、沸点などをもつが、混合物ではほとんどつねに低くなっている。このため、融点、沸点などの測定で、混合物であるか化合物であるかを判定できることが多い。水素結合や電子移動力など、比較的弱い結合力で異種分子間に相互作用があるときは、化合物と混合物との区別が多少あいまいになっているときもある。
[中原勝儼]
2種以上の物質がたがいに化学結合せずに混じっているもので,化合物に対する語である。空気や砂糖水のような均一なものと,土砂や泥水のような不均一なものがある。たとえば,砂糖水はショ糖と水という異種の分子が混じってできていて,外見は無色透明で水だけと区別がつかず,どの部分をとっても甘みなど同じ性質を示し,水の性質とショ糖の性質の両方をもっている。しかし砂糖水を加熱すると水だけが水蒸気になって分かれてきて,残った砂糖水の濃度は高くなる。このように混合物では混じり合うそれぞれの分子は元の分子の形や大きさをそのまま保っていて,物理的手段で成分を分離することが少なくとも原理的に可能であり,混じり合う成分の割合は一定でなく,一方の成分の量だけを多くすることができる。
執筆者:佐野 瑞香
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
2種類以上の異なる物質が物理的にまじり合ったもの.各成分が完全にまじり合って一つの相となった均一(均質)な混合物(溶液,固溶体など)と,2相以上を含む不均一(不均質)な混合物とがあるが,自明の場合には均一,不均一などを省略することが多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新