遊離軟骨(読み)ゆうりなんこつ

知恵蔵mini 「遊離軟骨」の解説

遊離軟骨

関節内に剥がれて遊離している軟骨のこと。関節の内部で遊離している軟骨・骨のことを「関節内遊離体」と呼び、俗に「関節ネズミ」といわれる。これらが関節内を漂い移動する際に関節の間に挟まると、関節が急に動かなくなる「ロッキング現象」や激しい痛みを引き起こすことがある。原因疾患としては、骨軟骨骨折・滑膜骨軟骨腫などがあり、特に関節軟骨がすり減る変形性膝関節症で多く見られる。また、スポーツによる関節の酷使や事故によっても起こる。ヒザやヒジに起こることが多く、股関節や足関節にも発生する。かけら(遊離体)の大きさは1~2センチであることが多い。かけらが小さければ放置し、状況に応じて軟骨・骨片摘出や再発防止の手術を行い治療する。

(2014-11-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遊離軟骨」の意味・わかりやすい解説

遊離軟骨
ゆうりなんこつ

関節内に遊離している軟骨片。遊離軟骨のように関節内に遊離している骨片や軟骨片などを関節内遊離体と総称し、関節内を動き回るという意味で関節ねずみと俗称される。遊離体が移動するうちに関節の狭い空間にはさまる(嵌頓(かんとん))と、関節が動かなくなるロッキングlocking現象がおきる。これは急性の激しい関節痛を伴う。遊離体を生ずる原因疾患としては、骨折(骨軟骨骨折)や離断(離断性骨軟骨炎)、滑膜性骨軟骨腫(しゅ)症もしくは骨軟骨腫症、関節軟骨の摩耗による変形性膝(しつ)関節症などがある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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