遣掛(読み)やりかける

精選版 日本国語大辞典 「遣掛」の意味・読み・例文・類語

やり‐か・ける【遣掛】

〘他カ下一〙 やりか・く 〘他カ下二〙
① とりかかる。始める。
歌舞伎幼稚子敵討(1753)六「それ程に言ふ事なら、マアやりかけて見よふ」
当否善悪などを考えないで、一方的に遣る。〔日葡辞書(1603‐04)〕
手紙などをとりかわすとき、こちらから送り始める。
評判記・色道大鏡(1678)二「傾城によく心をしるまでは、こなたより文をやりかけたるあしし」
④ 物に車をぶつける。また、船を座礁させる。
※とはずがたり(14C前)五「竹に、御車をやりかけて、御車のすだれ、かたがた落ちぬべしとて」
能楽で、謡などの調子テンポを速める。
三道(1423)「さて、責論議二つ三つづつ謡いて、かかりたる音曲にて、軽々と遣りかけて謡うべし」

やり‐かけ【遣掛】

〘名〙 何かをやりはじめたばかりであること。または、やっている中途であること。
髑髏酒場(1931)〈正宗白鳥〉「やり掛けの荒仕事を一休みして息抜きにやって来た」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android