遺伝性大腸がん(読み)いでんせいだいちょうがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遺伝性大腸がん」の意味・わかりやすい解説

遺伝性大腸がん
いでんせいだいちょうがん

原因遺伝子が明らかにされている大腸がん総称。大腸がんの約5%が該当すると考えられている。血縁者に多発する家族集積性の有無はかならずしも問われない。遺伝性大腸がんには、若年発症、同時性・異時性発がん、血縁者が大腸がんや子宮内膜がん子宮体がん)、胃がんなどに罹患(りかん)しているなどといった傾向がみられる。

 代表的疾患には、家族性大腸腺腫(せんしゅ)症とリンチ症候群がある。家族性大腸腺腫症は、大腸粘膜に100個以上の腺腫(ポリープ)が発生することから、比較的診断される機会が多い。リンチ症候群は、遺伝性大腸がんのなかでもっとも頻度が高いが、臨床的特徴が乏しいことから、見逃されている可能性もある。リンチ症候群は、かつては遺伝性非ポリポーシス大腸がんとも呼称されていた。

[渡邊清高 2019年8月20日]

『大腸癌研究会編『遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2016年版』(2016・金原出版)』

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