配向膜(読み)ハイコウマク

化学辞典 第2版 「配向膜」の解説

配向膜
ハイコウマク
alignment film

液晶ディスプレイのように,ある程度広い面積にわたって液晶分子が一方向にそろって並んでいることを必要とされる場合に,液晶分子の配向を制御するためにガラス基板の透明電極上に設けられるきわめて薄い膜をいう.ポリイミドなどの有機薄膜が用いられる場合と無機蒸着膜が用いられる場合とがある.有機薄膜の場合,液晶分子の長軸方向の配向方位を制御するために配向膜表面をナイロンなどで一方向にこすり(ラビング),溝状の構造を形成することも行われる.液晶分子の配向処理はほかの方法でも行われるが,配向膜を含めてこのように配向処理された2枚のガラス基板の組合せで液晶分子の配列が実現される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android