酸素担体(読み)サンソタンタイ

化学辞典 第2版 「酸素担体」の解説

酸素担体
サンソタンタイ
oxygen carrier

可逆的に酸素分子を結合解離する物質をいう.生体内で酸素を運搬する酸素運搬タンパク質が典型的なもので,ヘモグロビン(血色素),ミオグロビン,エリトロクルオリン(血色素),ヘムエリトリンヘモシアニン(血青素)などがある.金属部分で酸素分子との結合・解離を起こす人造物質の金属錯体も酸素担体といわれ,クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(Ⅰ)[IrCl(CO){P(C6H5)3}2](バスカ錯体)や,N,N′-ジ(サリチリデン)エチレンジアミナトコバルト(Ⅱ)(サルコミン)などがある.これらは金属部分で酸素分子の結合・解離を起こす酸素運搬タンパク質や,酵素,触媒のはたらきを理解するためのモデル物質である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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