重黎(読み)ちょうれい(英語表記)Chóng Lí

改訂新版 世界大百科事典 「重黎」の意味・わかりやすい解説

重黎 (ちょうれい)
Chóng Lí

中国の開闢(かいびやく)説話にみえる神。《山海経(せんがいきよう)》大荒西経に,帝が重と黎とに命じて天地を隔てさせたことがみえ,《書経》呂刑(りよけい)では蚩尤(しゆう)が乱を作(お)こし,苗(びよう)民が虐を為すので,重黎に命じて天地を隔絶させたとする。〈呂刑〉は姜(きよう)姓と苗民との闘争を経典化したものであるが,重黎は楚の先公としてその世系にみえ,当時の楚の役割を示す説話であろう。《国語》楚語にも,民と神とを分かつためであったとしている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の重黎の言及

【中国神話】より

…姜姓四国は嶽神伯夷の子孫であるが,苗民が帝意に従わず,帝が伯夷に命じて刑典を作らせた次第をしるす。苗民が虐をなして神と人との世界が乱れ,帝は重黎に命じて天地を隔絶させるという天地開闢の説話がそこに語られるが,重黎は楚の祖先神とされるものである。すると羌・苗の闘争に,楚が介入したことが考えられよう。…

※「重黎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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