精選版 日本国語大辞典 「釜底」の意味・読み・例文・類語
かま‐ぞこ【釜底】
- 〘 名詞 〙 ( 「かまそこ」とも )
- ① 釜の底の部分。
- [初出の実例]「一度地獄のかま底にだんぶと沈て其後は、手をすり足をするとても、誰か有て是を助まし」(出典:御伽草子・鴉鷺合戦物語(室町中))
- ② 釜の底の飯。かまぞこめし。
- [初出の実例]「お父ちゃんなんか、いくらでも御飯が食べられる時代でも、釜底がうまい、釜底がうまいというたはった」(出典:青い月曜日(1965‐67)〈開高健〉一)
《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...