錆江(読み)さびえ

精選版 日本国語大辞典 「錆江」の意味・読み・例文・類語

さび‐え【錆江】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 さびれた入江、また、水の濁っている入江。
    1. [初出の実例]「年をへてにこりだにせぬさひえには玉も帰て今ぞすむべき〈壬生忠岑〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑一・一一〇五)
    2. 「影薄きさひ江の月の有明に霜吹あしのすゑの秋かぜ」(出典:草根集(1473頃)三)
  2. [ 2 ] ( 佐比江 ) 摂津国武庫郡の地名。現在の神戸市兵庫区佐比江町にあたる。江戸時代以前は兵庫港東部の船入江に面して船の出入が多かった。

錆江の補助注記

[ 一 ]の後撰集の歌は、詞書に「さひ江といふ所にかけりける」とあり、[ 二 ]とかけて用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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