開放処遇(読み)かいほうしょぐう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「開放処遇」の意味・わかりやすい解説

開放処遇
かいほうしょぐう

逃走防止のための塀や鉄格子を設けず,受刑者自律を信頼して,社会生活と近似した開放的な環境のもとで,更生促進をねらった行刑処遇の方法。犯罪性の進んでいない収容者の処遇や仮釈放予定者に対する釈放前処遇として適するばかりでなく,地域住民の刑務所や受刑者への恐怖心,敵対心をやわらげ,受刑者の社会復帰に役立つ。日本では,交通刑務所や一部の少年刑務所でかなり以前から開放的な処遇を実施しており,実績をあげつつある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「開放処遇」の意味・わかりやすい解説

開放処遇
かいほうしょぐう

処遇

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の開放処遇の言及

【行刑】より

… 20世紀には,T.M.オズボーンによる囚人自治制の試みがあり,またカリフォルニアなどの諸州では,積極的に犯人改善を目ざした心理療法や集団療法等の手法が開発され,科学主義を標榜して犯人一人一人の必要に応じた個別処遇を目ざす分類処遇が,それまでの画一的機械的に受刑者の自由領域を広げていって改善釈放につなげる累進制に取って代わる様相を示した。国連による被拘禁者処遇最低基準準則(1957採択)など人権保障の手当てや,施設内処遇から社会内処遇への転換も主張され,高い塀や厳重な施錠といった拘禁確保のための物理的設備を伴わない開放処遇や,施設拘禁とパロールとの中間処遇も発展した。一方では1960年代には,アメリカの公民権運動,反戦運動,学生の反乱とともに体制側の権威失墜もあり,刑務所体制に対しても従来の受刑者訴訟によるものや突発的暴動のみならず,組織的な挑戦が試みられ始めた。…

※「開放処遇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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